クリティカルチェーンを読んだ
あるMBAスクール授業にて、先生と生徒がプロジェクトマネジメントについて
彼らのプロジェクトでの出来事を元に新しい気付きを経てクリティカルチェーンというマネジメント手法を発見をしていく架空のストーリー。つまり小説になっている。
彼らの実プロジェクトで挙げられる問題がなかなかの「あるある」で、情景が目に浮かんでくる。
その問題から気付き、解決していく様はリアリティがあって読んでいてかなり楽しい。
最初から最後までダレない。一気に読めました。
以下、備忘録メモ。
プロジェクトあるある
- 予算がオーバーする
- 期限までに終わらない
- 計画を縮小する
つまり、プロジェクトには不確実性が絡んでくる
終了時間の確率
矢を的に射る確率は、中央値に対して左右にばらつく。(正規分布)
しかし、作業時間は違う。左右にばらつくというより、不確実性に影響され後ろにずれるばかり。(作業時間が長くなる)
なので、各作業見積もりをする時に、マーフィーを見込んで安全係数(バッファ)をかけた時間で見積もるものである。
リソースの取り合い
熟練工、特殊な部署など、他では変えのきかないリソースをプロジェクトで取り合うことがある。
優先度付がなく、そのリソースが並行して作業を進めることがある。
しかし並行して進めることは、1つタスクを消化するよりも完了するのが遅れる。
マネージャの仕事
- 予算管理(コスト)
- 期限管理(スループット維持)
極論をいうと、この2つである。
だが、産業革命以降、コスト削減をメインに経営をしてきた。
だからといって、コストとスループットの両立しようとしても矛盾が生じる。
- コストを削減しようとして、各工程の効率化を図る。
- いくら効率化されても、うまく効率化しづらい、時間がかかるボトルネックになるひっぱられる工程(時間がかかる。うまく効率化しづらい工程)は必ずある。
- 他の工程が高効率化されることで、逆にボトルネック工程がスループットにおける障害として依然と残ってしまい、コスト削減してもスループットは改善されない。。。
また、月末症候群と言われ
- 月初はコストを意識して残業を極力控える
- 月末に出荷するために、何でもありになる
- 月初はコストだったのに、月末にはスループットだけに着目している
という矛盾が生じる。。。
コスト削減しようとしても、ボトルネックの影響で手待ちになったり、スループットが落ち込む(納品が遅れる)などトータルでみてコスト高になることが往々にある。
そこで、コストからプロジェクト全体のスループットへ目を向けることが大切となる。
作業バッファをまとめる
- 学生症候群(なかなか始められない)
- 早く終わっても、完了報告を出さない
ということもあり、早く終わることは心理的にめったにない。
なので各タスクごとのバッファを一旦まとめてしまう。
- PERT図をつくる
- 作業時間が一番長くなるパス(クリティカルパス)を導き出す
- クリティカルパス上の各タスクのバッファを、最後に置く(プロジェクトバッファ)
- クリティカルパスに合流する他パスのタスクのバッファを、合流地点に置く(合流バッファ)
- リソースを取り合うようなタスクには、前工程の遅れで後工程が遅れないようにバッファをとる(リソースバッファ)
そして各タスクの進捗を監視するのではなく、3つのバッファの消費速度を監視することでマネジメントする。